我が子を愛せなかった時間2
続きです。
ジュンが3歳になった頃、保育士さんにジュンの発達上の問題を指摘されました。
そのとき私は、その一因に自分の接し方があると考えました。
断っておきますが、発達上の問題が生じるのは脳の器質が非定形であるためで、育て方の問題ではありません。しかしそれが日常生活の不自由や、自尊感情の低下ーーすなわちディスアビリティーーになるのは、接する周囲の問題だと私は考えています。
ジュンが私より恋人を大事にする日が来たときに、ジュンやその恋人を責めてしまうような醜い自分になりたくないからといって、ジュンの成長を妨げて良いはずがありません。それは一緒に暮らす大人としてしてはならないことだということに気づかされ、猛烈な罪悪感を抱きました。
そこから今度は、意識して、温もりの伝わる関係を作ることにしました。嘘でもいいからと思いながら、キミが大好きだよと毎日語りかけました。
結果として、ジュンは多少の特性はありつつも標準範囲内の発達を見せ、私はいつのまにかジュンが大好きになりました。気にかけて世話をするうえに言葉にして愛を伝えるのですから当然と言えば当然ですが。
さて。ジュンに恋人ができたとき、私はその二人に大人としてまともに接することができるでしょうか。甚だ自信はありません。