言葉にならない
ジュンと2人家族になって2年過ぎました。
とーちゃんを知る友人たちから連絡をもらいます。
ジュンは大きくなって、できることが増えて、生意気になりました。
私は…私はどうなんだろう。
花冷えのお陰で、今年の桜は長く咲いていますね。
2年前は春が遅くて、とーちゃんと別れた夜も桜が降っていました。
どうしても桜を見ると、色々物を思います。でもうまく言葉にならない。
私自身は、自分の研究のために、人にその人の人生の物語を聞いてきました。
プライバシーを掘り返して、その人の忘れたいほど苦しい記憶を尋ねます。その事自体が、私はとても苦しくて、話してもらうお願いをするのはいつも気の重いものでした。
聞いた後は内容を編集してご本人に見ていただくのですが、「自分のしてきたことが、こういうことだったのかと思えて興味深かった」と言っていただいたことがあります。
気を遣って良く言って下さっているのかと思っていましたが、もしかしたら本当にそうなのかもしれません。
経験や思いは自分だけで言葉にするのは難しいし(ということも、最近になって実感します)、聞いてくれた人が整理してくれることで、「その通り」と思ったり、「大筋あってるがそこは違う」と思ったりするのですね。
だからこそ、聞くことは緊張するし難しいけれど、楽しいことでもあります。
ゆっくりと、人の話を聞ける余裕がほしい。